大自然と体心四つの野菜できる健康促進野菜スープ
島村クリニック島村院の穀物菜館オーナー鳥村はる代著
野菜は大切だと知りながら、なかなか摂取できない人も多いはず。
穀物莱館のオーナー・島村はる代先生に、四つの野菜から簡単につくれ、生活習慣病の予防やダイエットにもよい「野菜スープ」の効果とつくり方についてお話しいただきました。
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穀物菜館オーナー鳥村はる代
しまむら・はるよ 昭和24年岡山県生まれ。平成13年ご主人の善行氏が院長を務める「島村トータル・ケア・クリニック」 の2階に玄米菜食を提供する「穀物菜館」をオープン。同レストランで開く料理教室も好評を博している。
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野薬スープが体内の陰陽のバランスを整える
私がオーナーを勤める「穀物菜館」は、玄米菜食を中心とした食事をお出しするレストランです。夫が院長を務める「島村トータル・ケア・クリニック」に併設しており、入院されている患者さんの三度の食事も私どもでつくっております。
メニューは飽きのこないよう様々な工夫を凝らしておりますが、毎日欠かさず患者さんにお出ししているものがあります。それが今回ご紹介する「野菜スープ」です。
野菜スープはキャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャの四種類でつくるとてもシンプルなスープで、もともとは「マクロビオテック」という食養生法の一部として考案されたものでした。
来院される患者さんはもとより、現代人はとかく野菜が不足しがちです。なるべく効率よく、吸収率のよい方法で野菜を摂取する工夫が必要となります。そこで野菜スープをお勧めしたいのです。
野菜スープをある一定期間飲み続けていると、太っていた人は体重が減り、痩せすぎていた人は体重が増え、非常にバランスのよい体に変わってきます。人間の体重の増減には理由があるのです。
前述のマクロビオテックの理論では、肉類は体を熱くする「陽性」の食材に属します。熱くなれば冷やしたいのが、自然の摂理で、当然「陰性」の食材が欲しくなります。陰性の食品の代表格は砂糖とアルコールです。よく「焼き肉を食べるとビールが進む」という話を聞きますが、それはこのメカニズムの理に適(かな)っているわけです。
この時、陰と陽のバランスがぴったり合えばまだいいのでしょうが、そううまくはいきません。ビールを飲みすぎれば、今度はまた肉が欲しくなり、肉を摂りすぎれば、またビールが欲しくなる……。そうしてカロリーオーバーになるのです。
食材の中には陰陽どちらにも属さない「中庸」の食材もあり、穀物や野菜、豆、海藻など玄米菜食で用いる食材がそれにあたります。
つまり中庸の食材である野菜を使ったスープを飲むことによって、体内の陰陽が傾くことなくバランスがとれ、それによって過食を防ぐことができるのです。また、スープ自体に甘みがあるので、菓子などを間食したいと思わなくなります。
こうして自然のうちに体内の陰陽バランスがとれ、適正な体重になっていくのです。
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ただの野菜よりも・野菜スープで効果倍増
患者さんをはじめ、レストランや料理教室に足を運んでくださる皆様に野菜スープをお勧めしておりますが、体重の増減だけでなく、他にもいろいろな症状の改善につながっているようです。
まず、先ほど陰陽のメカニズムでご説明したように、野菜を多く摂ることで必要以上に糖分を欲しがらなくなるため、血糖値が高かった方は数値が安定してくるといいます。
また、野菜に含まれるカリウムには、塩分を体内から排出する働きがあるので、血圧の高い方も数値が安定してくるそうです。カリウムには利尿作用もあるので、いま流行しているデトックス効宋も期待できます。
さらに、野菜には代謝を促進するビタミン、ミネラルが豊富に含まれるため、血行がよくなり、冷え性や便秘の改善につながります。代謝がよくなれば内臓脂肪が分解され内臓の働きがよくなって、さらに代謝がよくなる、という相乗効果が生まれるのです。
このように、野菜そのものに含まれる栄養素が健康につながることはもちろんですが、あえて「スープ」にすることにも重要な意味があるのです。
ファイトケミカルという言葉を聞いたことがあると思います。ファイトケミカルには、主に「抗酸化作用=体内でできる有害な活性酸素を取り除く働き」「免疫作用=ウイルスや細菌などの異物から体を守る」「抗がん作用=がんの発生・進行を抑える」作用があり、私たちの健康維持に大きな役割を果たしています。
特筆すべきは、抗酸化作用です。私たちの体内でつくられる活性酸素は、多くなりすぎると動脈硬化や糖尿病、高血圧、高脂血痘などの生活習慣病や、アトピー性皮膚炎や喘息(ぜんそく)、花粉症といったアレルギー性疾患など、現代特有の多くの病気に関わっていることが明らかになっています。また、老化も活性酸素によって進められるといわれます。
ファイトケミカルは細胞壁に囲まれた細胞の中に含まれていますが、生野菜のままでは細胞壁が壊れにくく、あまり効率よく摂取できません。熱を加えることによって細胞壁が壊れ、多くのファイトケミカルが溶け出すのです。生野菜のままだと五㌫から二十㌫程度しか体内で利用されないのに対し、スープにすると八十㌫以上が利用されるといいます。熱を加えてスープにすることで、野菜の栄着分を丸ごと吸収することができるのです。
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野菜スープのつくり方と注意点
さて、野菜スープのつくり方です。
【材料】 (四人分)
キャベツ、タマネギ、ニンジン、カボチャ=…・各五十㌘、水=…・800∝(必ずしもこの分量でなくてもよいが、原則四種類の野菜は同量ずつ、その合計の四倍の水を使う)
【つくり方】
① 各野菜を洗い、タマネギは薄皮をむく。ニンジン、カボチャは皮ごと使うので、たわしなどでよく洗う。
② ①の野菜をそれぞれみじん切りにする。
③ ②と水を鍋に入れて火にかける。沸騰したら弱火にし、ふたをして、そのまま二十分程度コトコト煮詰める。
④ ③をザルでこしてスープをとる。
料理教室などでよく聞かれる質問や、注意点をいくつかご紹介します。
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Q・みじん切りして煮出した後の野菜について
肥満や生活習慣病を改善したい方は、具をこしてとったスープだけを飲むことをお勧めします。そのほうが胃腸に負担をかけずに栄養分を吸収でき、早く効果が表れます。健康法の一つとして野菜を摂りたい方は一緒に食べても構tヽません。味噌(みそ)を入れて味噌汁にしてもいいでしょう。
主婦の皆さんは残った具の処理に頭を悩ませるところですが、私は思い切って捨ててしまっても構わないと言っています。どうも「みじん切りした野菜を違う料理に生かさなければ」という考えが重荷となり、野菜スープが続かない一つの要因になっているようです。中には残りの具を使って毎日スクランブルエッグをつくっていた方がいましたが、それによってコレステロールが上がるなど、かえって逆効果になってしまうケースもありました。栄着分はほとんどスープに溶け出していますから、なるべく飲み続けることを第一義に考え、具の処理をしてください。
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Q.野菜スープはいつ、どのくらい飲めばよいでしょうか?
効果的なのは空腹時です。そのほうがよく吸収されます。朝起きてすぐや、血糖値が下がる午後三時頃、一回につき200㍉㍑が目安です。
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Q.つくり置きについて
添加物等を加えていないため、保存可能な期間は冷蔵なら一~二日、冷凍なら一か月程度保存。つくってすぐ冷凍すれば効果は落ちませんが、風味が飛んでしまうことは否めません。
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Q.調味料や他の野菜を加えてもよいでしょうか?
野菜スープは体のバランスを整えるために厳選した四種類の野菜でつくります。野菜から出た甘みを生かすためにも、コンソメや化学調味料等は入れないほうがよいでしょう。自然塩であれば一つまみ程度ならよいでしょう。
正しい玄米菜食を心がけましょう
私もまた、野菜スープを中心とした玄米菜食で健康を取り戻した一人です。
かつての私は、料噌確食べるのもつくるのも大好きで、美味しいフレンチのお店があると聞けば、電車に乗って食べに行く日々を送っていました。夫が勤務(外科)医時代は「ハードな仕事だから」と、肉類をメインとした食生活で、厚生労働省が勤める「一日三十品目」をしっかりと守るメニューを考えていたのです。
いまになってみれば「一日三十品目」は栄養の摂りすぎで、フレンチのコースなどどれほど体に負担をかけていたかよく分かりますが、当時は分かりませんでした。それがもとで夫は二十年にわたり痛風に悩まされ、私も外出できないほどのひどい花粉症に十三年間も悩まされました。当然、二人とも体重はいまより重く、ずっと疲労感がとれないままだったのです。
それが知人の勧めで玄米菜食を始めたところ、十日間ほどで花粉症が快方に向かっていきましたし、大の痛風も起きなくなりました。玄米菜食にすれば必ず健靡になるとは言い切れませんが、私たち夫婦は自分たちの経験からそう確信し、現在の病院とレストランを開いたのでした。
玄米菜食を始めても「なかなか効果が表れない」という方もいらっしゃいますが、多くの場合、玄米を食べる量が少ないようです。主食と副菜の割合は、六対四を目安とし、玄米をしっかり食べてください。
逆に、肉や魚を日の敵にし、栄養失調になる方もいらっしゃいます。もちろん、がんなどで入院された方は、習慣を変えない限り再発の恐れがあるので、症状が落ち着くまでは動物性たんばく質や卵、乳製品を一切絶ってもらいます。
しかし、健康な方であれば食べすぎない限りは、肉も魚もそこまで厳密に絶つことはありません。人間は永久歯三十二本(親知らず四本を含む)のうち、肉や魚を食べるための犬歯が四本備わっています。永久歯に対する犬歯の割合が私たちに必要な動物性たんばく質の量を示しています。魚は週一回、肉は月に一回くらいに、と指導しています。
また、玄米には鉄分を排出する働きがあるので、ひじきやホウレンソウなど、鉄分の多く含まれた副業を一緒に食べることを心がけてください。
私たちの血液はすべて口にした食材によってつくられます。手っ取り早くお腹を満たすことを優先させ、出来合いの添加物が多く含まれた食品を揖取しすぎれば、自ずから血液は汚れ、様々な病気になっていきます。ぜひ、正しい知識を持って、玄米菜食を心がけてもらいたいものです。
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