●がんになっても悲しむことはない
がんは命を脅かす不治の病だという概念がいまだに根強くあります。
たしかに、厚生労働省の統計(平成16年度)によると、年間に約32万人が
なんらかのがんで亡くなっています。日本人の死因の第1位はがんですから、まだまだその考え方が根深いのも無理はありません。
しかし、私は自分の研究テーマである”免疫理論”を確立してから、人間は三大治療(手術、抗がん剤、放射線治療)を受けなくても、がんを克服することができると確信するようになりました。
これまでもさまざまな著書や講演などで、「がんは治る病気だ。そのために生活を変えなさい。体を痛めつける治療は避けなさい」 と言い続けています。
いまだに三大がん治療が多くの医療現場で幅を利かせています。
ですが、私の提唱するよ”免疫理論”も徐々に患者さんから支持されるようになり、現在では、おそらくがん患者全体の1割くらいの方から共感を得ていることと患います。
私の理論は、「生活習慣の基本を見直す」という単純明快なものです。
のちほど詳しく解説していきますが、食事、入浴、体操といった生活習慣の基本から、日常生活での感情の使い方、ストレスを避けるための生き方などを、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。
がん患者数の3割ぐらいの方がこの理論を実践してくれるようになると、年次死亡率の低下につながると確信しています。
私の理論は実行する人の心の持ち方が大きく作用します。理論を理解して信じて実行してもらえると、体の状態に変化が現れやすくなるのです。
今の医療の現場では、まだまだ患者に「辛い治療に耐えなさい」と無理強
いしています。私のように「がんは治りますから、生活を変えなさい」と言
う医師ばかりでもないことも事実です。
しかし、一部の医師たちは、代替療法、漢方、鍼灸、温熱、整体などを取
り入れて患者さんを治す方針で活躍しています。他にも免疫療法を支持して
くださる治療家たちは全国にいます。
そういう医師を探し出し、あきらめずに自分の信じた治療を受けていただ
くことが、きっとみなさんの回復につながると信じています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●病気の原因はすべて免疫力が下がること
そもそも人はなぜ病気になるのでしょうか。
さまざまな病のすべての原因は免疫にあります。免疫は心の状態と深く関
係があります。
心の状態が良好なとき、免疫力は高いのですが、心が暗くなって落ち込ん
だり、怒ったりすると、精神状態が不安定になり、免疫力が低下します。
また、私たちの体は自律神経によって均衡が保たれています。自律神経は、
血管や内臓といった分野の働きに作用するものです。
自律神経は交感神経と副交感神経から成り、この2つが適切にバランスを
とることで、私たちの健康がコントロールされているのです。
交感神経は運動したり、興奮するなどの活動的な働きをうながす神経で、
副腎でアドレナリンというホルモンが分泌されます。すると、全身の筋肉に大量の血液が送られて、脈を速くします。しかしその分、内臓に送られる血液
量の血液が送られて、脈を連くします。しかしその分、内臓に送られる血液
が少なくなり、内臓の働きが鈍くなるという作用もあります。
反対に、寝るときや食べるとき、リラタックスするときに働くのが副交感
神経で、その神経末端でアセチルコリンというホルモンが分泌されます。こ
れにより、気持ちが穏やかになり、脈はゆっくりとなり、内臓への血流が良
くなります。
緊張しているときに食事をすると胃が痛くなったりするのは、交感神経の
働きが活発なため、消化器官への血流が不足しているからです。
逆に副交感神経が活発でリラックスしているときは、消化管機能が順調に
働いているのです。
また、体がリラックスしているときは、体内で分泌、排泄が活発になります。
涙、クシャミ、咳、唾液、尿など体から分泌物が外に出るときは、副交感神経が優位に働いているときなのです。
このように、私たちの体は、日々の生活の中で、無意識に交感神経と副交
感神経をバランス良く働かせることで、心身の健康を保っています。
ですから、逆にこの2つのバランスが崩れると体の変調が始まるのです
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●病気が治るメカニズム(白血球数が低下すると免疫力も低下する)
では、健康な体にストレスが加わるとどうなるでしょうか。
交感神経優位の状態が続くと、緊張状態になるため、神経が高ぶります。
これが短期間なら活動的でいいのですが、長期間にわたって交感神経が優
位のままだと、怒りっぽく、イライラしたり、気持ちが落ち着かなくなって
きます。
反対に副交感神経が優位の状態が続くと、リラックスしていますから、体
にはとてもいいのですが、これが長く続きすぎると、ぼんやりしたり、急な
刺激に対応できなくなります。
さらに注目したいのが、自律神経と白血球の関係です。
私の研究では、自律神経の働きが白血球に影響するということがわかって
います。
白血球には主に異物を食べて処理する顆粒球と、異物を免疫で処理するリ
ンパ球があります。顆粒球は交感神経の支配を受け、リンパ球は副交感神経
の支配を受けています。
交感神経が緊張すると筋肉が緊張し、分泌の働きが抑えられますが、この
状態が続くと、白血球の中に含まれている顆粒球の量を増大させます。顆粒
球は、体内に侵入した異物を撃退する働きがあり、その際に活性酸素を出し
ます。
活性酸素は、免疫、発がん、老化などの原因となる有害な物質です。
つまり、交感神経優位の状態が長時間続くと体内で有害物質が増えて、組
織の炎症を引き起こしてしまいます。そこから、さまざまな病気を誘発する
ことになるのです。
一方、副交感神経が優位になると、体はリラックスし、血液中のリンパ球
が増加します。リンパ球は、免疫力があり、傷ついた細胞を回復する働きがあります。
例えば風邪をひいた直後は、顆粒球が減少し、リンパ球が増加します。リ
ンパ球の働きが優位になりますから、脈が遅くなったり、体がだるく感じま
す。さらに鼻水や汗など、分泌現象も盛んになります。これは、リンパ球が
熱や痛みと戦っている状態です。
そして、リンパ球がウイルスに応戦し、勝利をおさめた後に再び顆粒球が
増加します。交感神経が優位になるため、回復した体が活動的になるのです。
つまり、病気にかかり、それが治るときは、「顆粒球反応が起こった後に
リンパ球反応、その視は顆粒球反応」というように、2つが交互に優位、劣
勢を繰り返します。これが、自律神経が正しく働いている場合に体が起こす
自然な反応です。
ところが、このバランスが崩れると、顆粒球とリンパ球のバランスにも影響
を及ぼします。 どちらかが優位であるときは、もう片方は劣勢です。劣勢の方は量が少ないため、力を充分発揮することができません。そしてそのまま優位に転じることができない場合、病気が治癒できないまま悪化の一途をたどるということにもなります。
悪化が進むと、最終的には細胞が炎症を起こした部分ががん化します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●ずばり、がんになる理由はストレスである
がんになる原因に、食事、喫煙、睡眠など、生活習慣が取り上げられるこ
とが多くありますが、実は、それよりももっと深い原因があります。
それは、働きすぎ、仕事の上での対人関係によるストレス、深い心の悩み
によるストレスといったものです。
これらはすべて、交感神経を極度に緊張させる作用があり、激しい緊張を
強いられた体は顆粒球の攻撃を受けるからです。
顆粒球は、その人にとって一番弱いところから攻撃を始めます。ですから、
その人にとって一番弱い部分から症状が出てきます。
これまで私は多くのがん患者さんと接してきましたが、必ず、彼らにがん
になる前に強いストレスとなることがなかったかどうかを聞いています。
すると、まず全員が、がんになる前に仕事や人間関係などで強い精神的な
ストレスを受けたと答えているのです。
家族を亡くした人、仕事で長期間きつい労働を強いられていた人、夫婦間
のトラブルや家族問の人間関係、職場の人間関係に悩んでいた人、知人にお
金を貸していた人……。
理由はさまざまですが、本人にとってストレス度の非常に高いものである
ことは容易に想像ができます。
もう一つ言えるのは、がんになる多くの人は、まじめで頑張り屋さんであ
ることです。
仕事で手を抜けない、適当に息抜きできない人が、気が付いたらがんにな
っていたという話を頻繁に耳にします。
がんになる人は、大きなストレスを抱え込むために、交感神経が長期間にわたって緊張した状態になります。
正常な状態だと、交感神経と副交感神経が交互に働くので、顆粒球による攻撃で細胞に炎症が起きても、リンパ球がそれを治癒しようと働くはずです。
ところが、交感神経の緊張があまりに著しいと、副交感神経が抑制されてしまい、リンパ球も同時に減少してしまいます。治癒のしくみが働かなくなってしまうのです。
また、交感神経緊張が長期間続くと、顆粒球が過多になって脈拍が上昇したり、高血糖、腰痛、肩こり、不眠、慢性疲労など複数の症状が出てきます。
顆粒球が過多になると、組織を攻撃し、炎症を起こすことはすでに説明しました。加えて末梢の血管収縮も起こし、これが血流障害を招きます。ですから、がんになった人は一様に顔色が悪いのが特徴的です。
また、がんになった人というのは、ただでさえ、日常のストレスが元で体は痛めつけられています。それなのに、さらに悪いことには、その状態で検査を重ね、医師の宣告が加わることで、もっと精神的な不安が大きくなってしまうということです。
これでは、体は余計に交感神経緊張状態を強いられてしまいます。体をより痛めつけるだけです。私自身、すでにお話ししましたように40歳のときに「がんの疑いあり」と言われた経験があります。この経験から断言できるのは、医師の宣告は、予想をはるかに超えるストレスだということです。
宣告の際に、「生き方を変えたらがんは治るんだよ」と医師が励ましてくれればいいのですが、残念ながら西洋医学の中で、私の考え方を採用する先生方はまだまだ少ないのが現状です。
これまでさんざん無理を重ねてしまって病気になったというのに、時には
余命宣告までされてしまい、患者さんはものすごく落ち込み、深い悩みの世
界に入っていきます。
これでは、治るものも治らなくなってしまいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●がんは避けることができる!
がんの予防法はあるのでしょうか。
がんになる原因がストレスや働きすぎならば、がんにならないためには、ストレスを抱え込まないこと、仕事をしすぎないことです。
しかし、「ストレスを抱え込まないなんて、無理です」「仕事の時間を短くするなんてできません」と言う人がほとんどかもしれませんね。
私は全員を納得させることはできません。あなたの体はあなたが守るしかないのですから、最終的にはあなたが決断を下すしかないことです。
しかし、がんを避けようと思えば、それが必要なのです。
そのためにはまず自分の抱えている原因を見つけることです。 原因が見つかったら、それを止めたり変えたりして、原因を取り除くことです。
働きすぎの人は、仕事の時間を短くし、リラックスできる時間を作ることです。ストレスの大きい悩みを抱えている人は、悩みを取り除くのが一番良いのですが、簡単にはいかないかもしれません。しかし、悩みが病気を作るというメカニズムを理解するだけでも効果はあります。理解をすれば無意識に悩みを減らしていこうと努力するようになるからです。
もう一つ、がんから逃れるために必要なことがあります。
それは、慢性疾患の薬の使用を止めることです。これは後ほど説明しますが、長期間にわたって薬を服用している人は、発がんする人が多いことがわかっています。
薬による副作用の1つと言えるでしょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
参考資料 「病気にならない免疫生活のすすめ」
医学博士 安保 徹 著 (中経文庫)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

