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●人事を尽くして天命を待つQOL③                                               <自然治癒力を引き出し「達者でポックリ」を目指す>

 私たちのからだには「自然治癒力」が備わっています。ちょっとしたケガをしたが、特になにもせず、放っておいたら治ってしまったという経験を持つ人は多いでしょう。

 これが「自然治癒力」であり、私たちの生命の持つ特質です。病気を治すとき、「治すための方法」はいろいろありますが、もっとも大事なことは、「自然治癒力」を引き出すことです。

 私は、自然治癒力とは「生命場」にあると思っています。ですから場のエネルギーを高め、自然治癒力を高めることこそが病気の治療の基本と認識しています。

 そのために、呼吸法などを自分でできるよう積極的に情報を提供するほか、漢方薬、鍼灸、食事療法、気功、呼吸などさまざまな代替療法を取り入れます。これらで自然治癒力を高めてから、西洋医学の治療を受けるのが順序です。

 ところが現代人はこの「自然治癒力」を100%発揮しているとはいいがたいと思います。

 現代人の生活は、一昔前に比べ、信じられないほど便利で快適になりました。しかし、エアコンで暑さ寒さを簡単にしのげる、旬のものしか食べられなかったはずの野菜がハウス栽培で一年中食べられるなど、「便利」「快適」ではあるが、「大自然の摂理」にそむくものが多くなっています。

 これが自然治癒力を低下させる原因となります。

 もうひとつ忘れてはならないのが、薬の飲みすぎです。現代人は風邪を引いたから、頭痛がするからと、すぐに薬を飲みます。

 風邪はウイルスですから、本当は抗生物質を投与してもそれほど意味がないのですが、一般感染を抑える多少の効果があり、早めに治ることもあります。

 しかし抗生物質は抗菌作用を持った物質ですから、「自然」であるはずがありません。抗生物質が入ってくると自然治癒力は働きをやめてしまい、どんどん弱まります。

 さらに自然治癒力に影響を与えるものとして「心」の問題も見逃せません。

 「プラシーボ効果」という言葉があります。昔、軍隊で薬が不足して、風邪で熱を出した患者に与える薬がないときに、軍医が小麦粉を薬包紙に包んで飲ませたところ、本当の薬を飲んだように熱が下がったということがありました。
プラシーボというのは「偽薬」ということばかりでなく、「信じる力」も大きいのです。

 代替療法も、本当に効くと信じて積極的にその治療に取り組む人と、そうでない人では効果に違いがあります。

 医師の側にも同じことがいえます。たとえば漢方薬にしても、その効果を信じない医師が出すより、医師が自ら効くと信じて説明して出すほうが断然効果があります。

 医療には「臓器の医学」と「場の医学」があります。臓器の医学は手術や化学療法など、一般的な近代西洋医学です。

 「場の医学」には心の医学や東洋医学、代替療法が当てはまります。

 自然治癒力とは、場の持っている能力ですから、「臓器」というパーツにこだわっていては見えてきません。

 常にいい場に身を置き、生命場を高める努力を続けていれば、私たちのからだが持つ自然治癒力がフルに発揮され、ホメオスタシス(恒常性)が保たれます。その結果、健康で元気いっぱい生きることができるのです。

 そして生命場を高めておきさえすれば、元気いっぱい生を全うし、見事な「達者でポックリ」が実現できるのです。
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参考資料「達者でポックリ。」
帯津三敬病院院長 帯津三敬著 東洋経済新報社
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