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●糖尿病は改善できる! (薬を止めると病は治る1/2)

 糖尿病も食べ過ぎや肥満が密接にかかわって発症すると考えられ、食事療法は治療の基本
中の基本とされています。しかし、糖尿病の患者さんで、肥満者はいわれるほど多くはあり
ません。にもかかわらず、なぜ一律に食事制限をいいわたされるのでしょうか。これにはア
メリカ医学の影響が強いと私は考えています。

 日本の医学は治療や診断基準に関して、その多くをアメリカの医学のデータに依拠してい
ます。研究熱心な専門家ほどアメリカの医学論文をきちんと読み、それを臨床に反映させよ
うとします。結果的に日本人には合わない、治療法や診断低率がつくられてしまうのです。

 日本人とアメリカ人では、体格一つとっても大きな違いがあります。肥満を判定する基準
であるBMI(体格指数=体重〈原〉を身長〈m〉で2回割って算出)でいうと、日本では
「25」が肥満ですが、アメリカ人は「30」です。身長160mの人で比べてみると、日本人
では64kg、アメリカ人ではおよそ77kgが肥満と判定されます。このように基準のゆるいアメ
リカで、大人の3人に1人が肥満です。日本人と肥満のレベルがまるで違うのです。アメリ
カ人の糖尿病患者は、力士のような巨漢ばかりです。この人たちは確かに食事制限が必要で
しょう。

 さらにいうなら、自律神経のバランスも日本人とアメリカ人では異なります。結論からい
うと、日本人は交感神経と副交聴神経がバランスよく働く「中庸」の体調であり、アメリ
カ人は副交感神経が過度に優位な「過剰リラックス」の体調です。

 アメリカ人の祖先は、ヨーロッパ大陸の極寒のストレスに適応するために、食事をたくさ
ん食べ、脂肪を蓄えて生き延びてきました。そんな彼らが暖かなアメリカ大陸に移住し、寒
さの脅威から解放された結果、自律神経のバランスは大きく副交感神経に傾きました。それ
ゆえアメリカ白人は、血圧が低く、便の回数は日に4~5回、リンパ球過多とまさに過剰リ
ラックスの体調なのです。

 アメリカでは肥満治療に鎮痛剤の「アスピリン」を使います。これで交感神経を緊張させ
体の代謝(体内での利用と排出)を下げ、エネルギー消費を促してやせさせようというわけ
です。リラックス過剰のアメリカ人は、アスピリンを使って交感神経を刺激しても過度な交
感神経緊張状態には陥りません。むしろ、自律神経のバランスが中庸に近づくくらいなので
す。こうした体調ですから、食事制限をして交感神経を緊張させてもへこたれません。

 もし、日本人が同じようにアスピリンで肥満治療を行ったら、交感神経の過緊張によって
体はとてももたないでしょう。食事制限によって生じるストレスの影響度も、日米ではまっ
たく異なりますから、アメリカ人の治療法を日本人に用いるのは無理があるのです。

 日本人の患者さんの中で、はちきれんばかりに太っている人は少数派です。やや小太りと
いう人はたくさんいますが、この人たちは食事でストレスを発散している人たちであり、
ベースにあるのは慢性的な交感神経の緊張です。アメリカ人の糖尿病の原因が肥満とすれば、
日本人の糖尿病の原因は圧倒的に頑張り過ぎのストレスであると、私は考えています。

 糖尿病はブドウ糖を利用するために必要なインスリンが不足したり、その働きが悪いため 
に血液中のブドウ糖濃度が高くなったりする病気です。ストレスが糖尿病を引き起こすしく 
みは、次のように説明できます。

 ストレスで交感神経が緊張するとカテコールアミン(ノルアドレナリン、アドレナリンな
ど)という神経伝達物質が分泌されますが、これらはブドウ糖の生成を促す作用があり、ス
トレスが続けば続くほど血糖値が上昇してしまうのです。

 また、交感神経緊張状態になると副交感神経の働きが抑えられる影響で、細胞の排泄・分
泌能が低下するためインスリンの分泌が抑制されます。顆粒球も増加し、活性酸素の産生量
もふえます。これによってインスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のランゲルハンス島(膵臓の中で
グルカゴンを分泌する細胞)が破壊されます。
その結果、インスリンの分泌能はさらに落ち込みます。こうして二重三重のダメージが加
わって糖尿病は発症します。

 血糖値を下げるために、通常はインスリンの分泌を促すスルフォニル尿素剤や、インスリ
ン注射などの薬物治療が行われます。しかし、これらの薬は糖尿病を根本から治すことはで
きません。
 

 薬は体にとって異物ですから、初めのうちは「こんないやなものは捨ててしまおう」とい
う「いやなもの反射」が起こります。
いやなもの反射をつかさどるのは、副交感神経ですから、一時期は副交感神経の働きに
よってインスリンの分泌も促進され血糖値は低下します。しかし、体が薬に慣れてしまうと
反射が起こらなくなり、再度インスリンの分泌が低下して血糖値は元に戻ってしまいます。

 また、肥満していない人に食事制限を課せば、空腹によるストレスが上乗せされて交感神経
がさらに緊張し糖尿病は悪化するばかりです。糖尿病を治癒に導くには薬に頼らず、仕事を
セーブして休養をしっかりとり、食事をゆっくり味わって食べることです。これによって交
感神経緊張状態が改善され、血糖値も徐々にドがっていきます。

 ここで「糖尿病を治すための4ヵ条」をご紹介します。これを参考に養生してください。

 【糖尿病を治すための4ヵ条】
①働き過ぎのストレス解消のため、暴食になっていないかどうかチェックする
②血糖値が上がるのは、ストレスが原因と肝に銘じる
③明らかに肥満している人以外は、食事制限は逆効果。ゆっくりリラックスして食事を楽しむ
④薬に頼らす、副交感神経を刺激する工夫を積極的に行う
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参考資料 「薬を止めると病は治る」
新潟大学大学院医学部教授 安保 徹 著 マキノ出版
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