私の父は昔から頑固者として有名で、一度こうと決めたらテコでも動かない人間だと、近隣でも有名だったそうです。ところが70才を過ぎて家業を私に譲ると急に老け込んでしまい、ただの気のいい隠居のようになってしまいました。
家業というのは造園業で、父が70才の時に現場で大怪我を負ってしまい、両足が不自由になったのを機に引退して貰ったのです。今から思えば、手伝い仕事でも父にやって貰えば、こんなに老け込むこともなかったのでしょうが、足をひきずりながら歩く姿を見るに堪えなかったのです。私としては父を思ってのことでしたが、その判断は間違っていたように思います。
80才を過ぎてからは痴呆気味となり、家内や母の手を煩らわせることもしばしばです。
耳もすっかり遠くなって会話も難しくなってきました。このままではまずいと、何か気晴らしになるようなものを勧めようかと思っていた矢先に、父がガンと診断されてしまったのです。
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それまでも定期検診は年に1回受けており、前年までは何も異常がありませんでした。
ところが、去年の検査で肺に影があることが分かり、精密検査を受けたところ、ガンは肝臓や膠臓にも転移していることが分かったのです。
精密検査を受けた時は母と私が付き添いました。医師はさかんに手術を勧めますが、私が「切って、ガンは必ず洽るのですか」と聞くと、「少なくても延命はできます」という答えです。
すぐさまチューブにつながれた父の姿が頭に浮かび、それだけは嫌だと思いました。父も駄々っ子のように、「家に帰るぞ」と言い続けるものですから、医師には「家族で相談します」とだけ言って、その日は父を家に帰したのです。
その日は家族だけでなく叔父や叔母も家にきて貰って話し合いましたが、「少しでも命が延びるのなら切った方がいい」という意見と「もういい歳なんだから、切ったらかえって寿命を縮めてしまう」との意見に分かれてしまいました。
本人の意見はといえば、「絶対にもう病院へは行かん」と久々に頑固さがよみがえり、テコでも動かない様子です。私も本当に困り果ててしまったのです。
そうこうしているうちに、父が咳き込むようになり、黄色っぽい痰も出るようになってきました。入院や手術をしないまでも、何か方法はあるはずだと私が病院に行って相談すると、今度は抗ガン剤の投与を勧められたのです。
そこで私が「抗ガン剤というものは副作用が強いんでしょう」と聞くと「それが抗ガン剤ですから」と当たり前だと言わんばかりの答え方です。
入院させずに父を帰したことを根に持っているようで、いちいち言葉が引っ掛かります。半ば喧嘩別れのような形で私は病院を後にしました。
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帰る道すがら、何か良い方法はないものかと思案していましたが、自宅でご家族のガン治療をなさっているお得意様を思い出したのです。
そのお宅では毎年、年末になると正月を迎えるために庭木を剪定しているのですが、その仕事を私が受けていたのです。確か3年ほど前に、そこの家のお爺さんがガンと宣告されて余命半年だと言っていました。
ところが次の年になってもそのお爺さんは健在で、去年の剪定の時も伏せってはおられましたが、ご存命であったことを覚えていたのです。
そこで善は急げと、そのお宅に伺いました。玄関の呼び鈴を鳴らすと、幸いなことに若奥さんがいらっしゃって、玄関先で事情をお話しました。若奥さんはウンウンと頷いておられて、「うちのお爺さんは大腸ガンで、同じようにはいかないかも知れないけど、この健康食品を飲んでいるんです」と、その健康食品の箱を見せてくださいました。
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それが『乳酸菌生産物質』で、発売元をメモして渡してくれたのです。若奥さんは「私みたいな素人が効能を言うと間違いがあってはいけないから、直接発売元に電話して間いてみられてはいかがですか」と言います。私はそのメモをいただいて、家へと帰りました。
家に戻ってすぐに発売元へ連絡してすぐさま注文し、父に「入院や手術が嫌なら俺のいうことを聞けよ」と納得させたのでした。
そして『乳酸菌生産物質』が届いてからは、毎日、注意深く父の様子を見守りました。いくら本人が飲むことを約束しても痴呆が進んでいれば、飲み忘れることも考えられます。
私や家内、そして母や息子までが言葉は悪いですけれど監視するように父が飲み忘れないよう注意したのでした。
飲用を始めてからは体調が良いみたいで、咳や痰も治まってきたのです。食欲も増してきたようで、献立にもあれこれと注文を出すようになってきました。
これ以上、痴呆が進まないようにと、仕事のことを相談するようになると、目がイキイキとしてきて、やはり生き甲斐がないと人間はダメなんだと実感しました。
それからは仕事の相談だけでなく、休みの日などにはクルマに乗せてドライブをするようにしましたが、以前とは反応が全然違ってきたのです。
問題のガンについては、父が絶対に嫌だと言うため、病院へは行っていません。しかし、一時のことを思えば体調は回復していますし、何よりも最近は表情が豊かになりました。紹介されたお宅のように、このまま延命してくれればと、それだけを祈っています。
とはいうものの、『乳酸菌生産物質』がどのように効いているのか興味があり、来月には父を説得して検査だけでも受けさせようと思います。
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