2003年、神戸在住の友人からファックスが入った。「悪性リンパ腫になりました。すでに4期。生存率は25%です」。
すぐに「笑いの処方箋」を送った。「免疫を高めましょう。1日5回笑って、1日5回感動する、腹作用:腹がよじれる」。ガハハと笑った写真の横に“もっと笑って!”とマジックインクでかいて同封した。
その写真を病室の壁に貼り抗ガン剤の点滴を受けながら彼は周囲を笑わせた。
外来通院になると毎日裏山に登り、「僕は治ります!」と叫んだ。こだまが返ってくる。こだま療法だ。これで背筋がピーンとのび、元気はつらつ。奥様がビックリした。「あなた、別人。毎回森に行く前と後は顔が全然違う」
1年後、友人からファックスが届いた。「奇跡が起きました。ガンが消えました」
こうして心も体も癒えるのならば、自然治癒力を高めるサポートを受けること。そのための「癒しの環境」を得ることは、患者の権利である。
私が10年間勤務した熱砂の国クウェートの病院は、植林した森の中にあった。医者と患者は診察の度に握手をして人間的であったかい関係。これでこそ、「よし、なおるぞ!」という気になる。病院は、そこにいるだけでホッとして元気になる、免疫が高まる環境を基本とすべきなのだ。
具体的には何が必要か?
実験で確かめた。笑うと、免疫を強めるNK細胞の活性が高まる。森の中でもNK細胞が活性化する。
・・・・だが、多くの病院には笑いも、ホッとする癒しの環境もない。
10年前に「癒しの環境研究会」を立ち上げ、どうすれば病院が変われるか考えてきた。「心で」納得していない治療をさせられたり、何かとガマンさせられるなんて、病院とは呼べない。(高柳和江・日本医科大学助教授)

